恐る恐る目を開けると、その手はかなえの顔の目の前で止まっている。
「やめろよ。みっともない。」
そう言って男の拳を止めていたのは颯太だった。
「颯太……くん。」
「何だよ、お前。かっこつけてるつもりか!?」
男は一度拳を引き、その手で颯太の胸ぐらを掴んだ。
「そんなんじゃねぇよ。ただ、こいつの言ってることの方が正しいっつってんだよ。」
「てめぇっ……。」
男が颯太を殴ろうとした時、小さな拍手が起こった。
それはだんだんと大きくなっていく。
「ちっ、もう来るかよ!!こんな店!!」
男たちは居心地が悪くなったのか早々と去っていった。
「素晴らしいわ。」
「勇気があるわね。」
拍手を起こしたお客様たちが颯太やかなえを褒める。


