「何にもないよ。何で?」
「ううん、何となく。何にもないならいいの。明日は学校行けそうね。」
テーブルにお茶を置くと、お母さんは飲みながらそう言った。
「お母さん、奨学金の手続きなんだけど……。」
私は書類を渡す。
「いいわよ、お母さんこれでも稼いでんだから。奨学金なくてもあんた一人くらい進学させられるわよ。」
「だけど、お母さん無理してるじゃない。家にいないし……。」
「いーの。娘のために無理するのが親の生きがい。年寄りの生きがいとらないでちょうだい。」
「でも……。」
「立てられる保証人もいないのよ……。」
お母さんは小さくそう言った。
それ以上何も言えなくて。
私は黙ってご飯を作り始めた。


