「じゃー、行こっか。」
その様子を見ていた私の背中を咲は押した。
「涼に伝えなきゃ、ね。」
咲がウインクをしながらそう言うと、私はクスッと笑った。
「うん、そうだね。」
病室へ向かうと、涼はまだ眠っていた。
「涼。目が覚めたら、私、あなたに言いたいことがあるの。」
私の言葉はただ部屋に響き、返事は返ってこなかった。
「それじゃあ私、一旦カナたちのとこ行ってくるから。」
咲はそう言って部屋を出ようとした。
「待って。サキこそ、一緒にいようよ。」
「私、そんな資格ないから……さ。」
「どういうこと?」
「何でもない。とにかく、カナたちも心配してるだろうから。学校とかもあるし。明日は学校来るんだよ。」
それだけ言うと咲は部屋を出ていった。
部屋に残された私は涼をそっと見た。
早く、ごめんねって。
伝えたいんだけどな……


