目の前には、今すぐにでも起きそうな孝志が眠っている。
「俺、臓器移植受けることにしたんだぜ。お前がドナーなんて、笑っちゃうけどな。……なぁ、俺、ちゃんと足掻けてるか?」
答えは返ってくることもなく、言葉は消えていく。
「大切なもの……守りぬいてみせるから。それは、お前と一緒に、だからな。」
そう告げると、涼は部屋をあとにした。
「涼!」
向こうから美沙と咲が来る。
「話……何だったの……?」
咲が隣で涼に聞く。
「……ドナー、見つかったんだって。お前ら、心配すんな。」
「そっか、ドナーが……。」
咲はホッとしたように胸を撫でおろした。
だけど
私は、納得出来なかった。
「それ、もしかして孝志の心臓なんじゃないの?」
タイミングがちょうどよすぎだもん。
心臓の移動は、そこまで遠くまで出来ないでしょ……、時間的にも。
だったら、同じ病院の人なら……。
「ああ、孝志の心臓だ。」
「私、そんなの絶対に認めないから!」


