「ありがと。」 私は小さな声で孝志に言った。 「頑張って読みなよ。」 「…うん。」 少しだけ、自分の中でぐちゃぐちゃしてたものが落ち着いてきた気がする。 孝志の、力かな。 「じゃあまた来るね。」 私は窓に足をかけた。 「何回も言うけど、玄関から来てね。」 「夜に迷惑じゃん。」 「遠回しに夜来るなと言ってるんだよ。」 「はいはい。また明日ね。」 「寝坊するなよ。」 「しないよーだ。」 窓を渡って私は部屋に戻った。