命の贈り物



「大切な人と長く、ずっと一緒にいたい。だからもし、臓器移植をして生きられるのなら……それに賭けたい。」





お母さんは強くそう言い、続けた。




「でもそれは、人殺しになるんじゃないか……。そうも言われてるのよね。」




そうだ。




臓器移植。



それは『脳死』と判断された人のまだ生きている臓器を、生きるために必要な人へ譲ることだ。





その『脳死』が、一番の問題なんだ。




『脳死を人の死としてよいのか。』




臓器移植に反対派の人からはこんな声があがっている。




「脳死は、死……。お母さんはそう思う。」





だが、実際、脳死と判断された人が目覚めた例も稀にある。





「こればかりは人それぞれよね。一生目覚めず、生きるのか、目覚める可能性に賭けるのか……。あとは本人や家族の意思だけれど。」





じゃあ逆に臓器を提供する側だったら?




お母さんは続けた。