「別に用って訳じゃないけど…。」 私は言った。 孝志はくすっと笑って言った。 「またおじさんたち?」 「まぁ…。」 「ミサはそういう時、いつも僕の部屋に来るからね。」 「…そう、だっけ?」 「うん。来る?」 「行く。」 私は窓から孝志の部屋へ入った。 孝志の部屋はいつも整頓されていて綺麗だ。 棚には難しそうな本ばかり。 一冊手にとってみるも、つまらなそうなので元に戻す。 「貸すよ、それ。」 孝志が私の様子を見て言った。