帰り道。
私と孝志はただひたすら家へと向かって歩いていった。
何を話していいのか、分からない。
色々なことが、頭の中で回っている。
ドナーカード。
この希望に私たちは賭けたいんだよ、涼。
だからどうか、悪あがきだなんて言わないで。
精一杯、生き続けて欲しいよ。
私はそっと、孝志の手を握った。
「頑張ろうね。」
そう、一言だけ。
私は言った。
たくさんの問題を私たちは抱えていると思う。
これから一つずつ、解決していかなきゃいけないんだ。
大丈夫。
一緒に頑張れる大切な人がいる。
それだけで何倍も、強くなれるよね。
「あぁ、頑張ろう。」
孝志も柔らかく微笑んで、そう答えた。
夕焼けがとても綺麗な帰り道だった。


