「ただいまー。……お母さん、帰ってきてるの?」
「あ、美沙。お帰りなさい。ちょっと寄っただけ、すぐ戻るわ。」
リビングから声がする。
「そっか、気をつけてね。」
「大丈夫よ。じゃ、行ってくるわね。今日はなるべく早く帰るから。」
腕時計をはめながら母は淡々と言う。
「うん、いってらっしゃい。」
母が出ていったあと、着替えようと部屋に向かおうとした時、ゴミ箱の中の箱に気が付いた。
「……風邪薬?」
……無理、してなきゃいいんだけど……。
その時、家の電話が鳴った。
「はい、もしもし……。」
「ミサ?」
……この声……!
「もしもし、涼?どうしたの?ってか何で家電……。」
「質問多いんだよ。うるせーなぁ……。」
ダルそうに涼は言う。
「何よ、心配してんのに……。」
「……悪かったな……、この前……。」
「え……?」


