「美沙が部屋に来やすいかと思って貸してたんだ。それだけじゃないけど。」
やっぱり、分かってたんだ───…
「そっか。だから、そういうことだからもう本は……。」
「それだけじゃない。」
「え……っ?」
「って言ったでしょ?」
孝志はゆっくりと私に近づいてきた。
目が、離せない……。
「それだけじゃない……って……?」
「僕が美沙に来て欲しかったから。必ず来るって確証が欲しかったから……。」
「だったら私、言ってくれれば行ったのに……。」
「言いにくかったんだよ。」
そう言って孝志は微笑みながら続けた。
「美沙が好きだから……。」
「え……っ、私……?」


