その日は孝志も美沙も学校へ来ることはなかった。
帰ろうとした涼のもとへ咲がやって来た。
「ねぇ、ミサと結城くん、何で休みなの?」
「知らねぇよ。つか何で俺に聞くんだよ。」
若干イライラしながら涼は言う。
「だって昨日、ミサと一緒に帰ってたじゃない。」
「だからって……今日休むことを知ってる理由にはならないだろ。」
涼は鞄に教科書をしまい終えれば椅子から立ち上がった。
そして、咲の横を素通りしていく。
「待って……っ!」
しかし咲の声は涼に届くことはなかった。
その場に取り残された咲は仕方なく部活へと向かう支度をした。
「わけわかんない……。」
ポツリと呟いた咲の言葉は、誰の耳に届くこともなく周りの音に掻き消されていった。
「…………。」
そんな咲の様子を心配そうに見る影があった。


