命の贈り物




「おい、さすがにもう行かないと遅刻……。」




いつもの時間


いつもの場所



いつもと違うのは、美沙がいないことだけ───…




美沙は来ると言い張ってその場を動こうとしない孝志に、涼は急かすように言った。





孝志はもう遅刻などどうでもいいと思っている。





「……行くぞ!」





痺れを切らした涼は孝志の腕を引っ張り学校へと向かった。





「お前がそんなんじゃ、困るんだよ!」




涼は孝志を一喝する。





「その分、涼がちゃんとすればいい。」





孝志は引っ張られながらそれだけ言うと、涼の腕を振り払った。





「……そうかよ。いい加減、目覚ませよ!」





涼は一発孝志を殴って走って学校へと向かっていった。





その場に残された孝志はしばらく立ち尽くしていた。




その顔は、どこか微笑んでいるようだった。