赤い光が薄暗い病院を照らしている。
『手術中』
身近に感じられない言葉が目の前で光っている。
かなえは扉の前で祈り続けた。
どうか……っ無事で……
──────…交通事故に遭われて
どれだけそこに立っていただろうか。
雨で濡れた服が、冷たい。
寒気がする。
意識が……遠退く。
サ ヨ ウ ナ ラ
シ ア ワ セ ニ ナ ッ テ ネ
その時、『手術中』というランプが消えた。
同時に扉が開き中から医者が出てくる。
「先生っ、颯太は!?颯太は……っ無事なんですかっ……!?」
遠退いていった意識を一生懸命引き戻しかなえは聞く。
「最善を尽くしましたが……。」
申し訳ない表情で医者は言う。
しかしもうかなえには、その表情すら見えていなかった。


