ここ数日、家に帰ってからも、鈴木くんが頭から離れない。

隣の席になってまだ日が浅いというのに。彼が私の心のほとんどを支配してしまったかのようだった。



ごめんね、て困ったように眉を下げて笑う顔も、ありがとう、と微笑む顔も…色濃くて…


本当にびっくりするくらい可愛い顔で笑うんだ。
その笑顔が自分に向けられている、私だけに向けられていると思うと嬉しくて、
それでいて胸がキュッと締め付けられるようだった。


「…鈴木くん」

小さく呟いてみる。


その名前を口にしただけで顔が熱くなってきた。ああ、これが…。

気持ちを確信すると急に照れくさくなり、わたしは近くに置いてあったくまのぬいぐるみを抱きしめてベッドに横たわった。

明日も話せますように、そんな願いを込めて静かにまぶたを閉じる。



ープルップル

突然携帯が鳴った。