晴れた日の朝。
一人の少年が真新しい制服に袖を通し、二階の窓から外に映る桜並木を眺めていた。

「今日から俺も高校生か」

彼の名は秋一。
この物語のもう一人の主人公。

「秋一、朝ごはんの支度出来たわよ」

「わかった、今行く〜」

穏やかな母の声に応え、秋一は鞄を持ちゆっくりと部屋を出た。

『高校生活…楽しみだな』
彼の背中を押すように日差しが部屋の中に差し込んでいた。