「…遥…も…今日…から…高…校…生…か……」

チラチラと新聞と愛娘の制服姿を交互に見る照れ屋な父。

「へへっ!似合う?」

くるりと父の前でターンし制服を見せる。
父は顔を赤らめて娘の姿を見ていた。

「もぅ〜!照れ屋さんな・ん・だ・か・ら」

と、父親をからかう娘。
そこにリビングに下りてきていた母が般若顔で遥を睨みつけていた。

「お父さんをからかってないで早く行きなさいっ!」

「は………はいぃっ!」

遥は焼き上がったトーストを手に取り玄関を後にした。

「…ったく、誰に似たのかしら…」

ため息を吐きながら食卓を片付ける母を横目に父が
『…もちろん、君だろ…』と、心の中で言っていた。

「あなた、なにか言った?」