「……やっと起きよった……このバカ娘がっ!」

遥の目の前には彼女の口にタオルを突っ込んだまま般若のような形相で睨む母がたっていた。

「え……?ファ…ファ?(ママ?)……はっ!」

母の顔を見て一気に目を覚ました遥は鬼のような速さで着替え、リビングへと下りていった。

リビングでは新聞を広げ黙々とトーストを食べている父親がいた。

「はぁはぁ……あ!パパおはよ〜」

息を整えリビングの椅子に腰掛け、トーストを焼く。
「……おはよう……」

父親は新聞から目を離さず小さく挨拶をした。