『遥〜!ハルカァ〜!起きなさい!遅刻するわよ』

晴れた日の朝。階下から母のどなり声が響く。

遥と呼ばれた少女はそれでも、まだベッドの上で布団を丸めてすやすやと寝ていた。

「んん〜…、もう食べれないよぉ……」

母の声に寝言で答える彼女。
数分経っても起きてくる気配を感じない母が階段を駆け上がり遥の部屋に入ってくる。


「夜遅くまでファミチョンしてるから起きれないのよ!もう高校生になるんだからいい加減自分で起きなさい!」

母は怒りながらカーテンを開け、遥から布団を取り上げた。
布団がファミチョンこと、ファミリアチョンボと言う家庭用テレビゲームの上に被さった。