「全くないな。しかしなぜお前は皆の傷を癒す?」
 「そうか…うまく出来てるんだな。ラックがレイジリアンを消した技を理解しているか?」
 「どっかの異空間に飛ばすんだろ。」
 「正解、だけどその異空間を内側から壊せば戻って来れるんだ。」フェイは目を見開きながら、
 「ならなぜこんな事を…。」
 「この技の面白いところはな。異空間から異空間に飛ばして、最初の異空間を壊してしまうと一生戻れないんだよ。」
 「まさか…。」
 「理解が早いと助かるよ。俺が異空間を壊す。」
 「戻って来るんだよな?」タガールは首を横に振り、
 「じゃあな。皆によろしく頼むは。」タガールは闇に包まれ消えていった。フェイは舌打ちしながら辺りを見回した。エレジーの腕は生えているのを見て自分の腕を見ると、
 「生えてやがる…。いつの間に…。」フェイは寝転んでいる者を一人づつ起こして回った。