♪ピロリロリン …また鳴った。 私は静かにため息をつき、いつものように彼を見た。 彼は、ケータイを私を交互に見ながら、とてもあたふたしている。 「出たら?」 私が思いっきり冷たい声で言っても、彼は、私を気にする事なく、ケータイを片手に、急ぎ足で部屋を出て行った。 …これもいつもの事だ、と、私は彼が出て行った部屋を見つめ、もう一度溜め息をついた。