「僕ね、死のうとしたんだよ。でも雅弘が、"男"も"女"も関係なく好きって言ってくれて」


関係ない……?


そんな考え方、ぶっちゃけ性同一性障害の人には通用しない。


……はず。


隣で雅弘が照れていた。


それに


「僕は何回も拒絶した。そんなんおかしいじゃねえかって」


「確かに俺もそれは拒絶します」


海里が口を開いた。


「でもね、僕は負けたんだ!こいつに」


そういって腹をつんと触る。


「こうやって、トランスジェンダーな僕でも、好きな人ができて…子供もできて。幸せな道を歩けてる」


「だから、海里ちゃんもきっと大丈夫!雅弘みたいな人ができるよ」