翌日。 またも歩幅の違いから、 私はマサルに追い付かれる。 しかも。 右横に、 ベッタリと着かれる。 左手は私の背中の方へ軽く回され、 薬指は見えない。 「ねぇ。昨日の返事。」 「なんですか?」 「ねぇ。飲みに行こうよ。」 「飲みに行くだけですか?」 誘ってなんかいない。 ただ、 飲みに行くだけかを聞いただけ。