万里 「いや、作品の主人公なのですから、避けては通れない」

栄三 「ごもっとも(笑)」

万里 「彼女も、長いこと苦しんできたわけです。田辺さんの懐に飛び込むことができずに。作品を書いてもらえずにいた時は、相当に暗いオーラが出ていたんじゃないかな。ね、上和田さん」

上和田 「ま、そんなところですね。この先は食事でもしながらゆっくりといきましょう」

一同は、立ち上がり部屋をでて、ラウンジへと向かった。