彼は何故か無反応だった。 あれ、変な事言ったかな? もしかして聞こえてない? …それとも私の動揺に気付かれた? 時間にすればものの5秒くらいだったと思うけど、何故かその沈黙の時は妙に長く感じられた。 耐えきれずに、私は首を傾げた。 すると彼は何かに気付いたかのように目を大きく見開いて、明らかに動揺を見せた。 『あ、いや、何でもないよ。白山 浩輝です、よろしく…』 やっと返事をしてくれた。 私は嬉しくなって、今度は作ったものじゃない、自然の笑顔で返事をした。