遼介はおもむろに手を差し出してきた。
僕は条件反射でその手を握り、遼介と握手を交わす。
二組の…という事は、どうやら同級生のようだ。
身長が高いので、てっきり僕は先輩だと思い込んでいた。
『遼ちゃんはあたしの幼なじみなんだ、保育園の時からの…腐れ縁?』
『おい、腐れ縁はねぇだろ!?』
遼介が軽く怒鳴る。
ごめ~ん、と言いながら澪は笑ってごまかす。
二人のやり取りを見ながら、僕はもどかしい気持ちであることに気が付いた。
『口は悪いし、態度と背ばっかり大きくて、人相悪いけど、ホントはいい人だから安心して』
