『今日はもう帰りか』
声のする方を向くと、そこには白地に派手目なロゴのTシャツに、ジャージ姿の男が立っていた。
『遼ちゃん、今日は遅かったね』
『ああ、今日は部活が長引いたからな』
遼ちゃんと呼ばれた男は走っていたのか、額に汗が浮かんでいる。
そして僕の方へ顔を向けた。
『こいつは?あんまり見ない顔だな』
『遼ちゃん知らないの?…先週転校してきた子だよ』
ふ~ん…と頷きながら僕を見る。
上目線の態度が何か嫌な感じだった。
『白山浩輝です、よろしく…』
とりあえず自己紹介しておく。
『二組の宮原 遼介、よろしく』
