ようやく認識出来た澪はとても可愛い笑顔に溢れていた。 部活帰りなのか、彼女はまだ制服姿のままだった。 読書していたようで、膝の上に開いた本を置いていた。 『ごめん、邪魔しちゃったかな』 『ううん、そんな事ないよ』 彼女は手にしていた本にしおりを挟め、鞄にしまった。 『帰りはいつもここ?』 『天気の良い日はね、気持ちいいんだ』 『…そっか、良い場所だよね、ここ』 すると彼女は立ち上がった。 そのまま僕の前を通り過ぎて、こちらに振り返った。