実は景色の良い場所とか、高い場所というのが僕は無性に好きだった。 雄大な景色を眺めていると、自分を見つめ直すことが出来るから。 辛いことや悲しいことがあっても、自分の悩みがどれだけ小さい事か…気付かされる。 そう考えると気持ちが少し軽くなる…だから景色を眺めるのが好きだった。 交通量が落ち着くのを見計らって横断歩道を渡る。 逸る気持ちを抑えきれず、横断歩道を渡りきってから僕は走り出した。 夕陽が沈んでしまう前に、夕焼けに染まる街並みを見てみたかったから。