別に友情に興味がないとか、そういうわけではないのだが、腹を割って話すようになるには、如何せん時間が足りない。 だから結局友達が出来ずじまいだった。 …だけど、この学校に転校して初めて友達…そして好きな人と呼べる人に出逢った。 それが澪だった。 澪も読書が好きらしく、休み時間は二人揃って本を読んでる。 あの本読んだ?とか、今度この本読んでみなよ、とか… 彼女とはとても楽しく会話が出来る。 だけど、その度に自分の気持ちに気付かれてしまうんじゃないかと、いらぬ心配ばかりしていた。