one's ~いつかの空へ~



転校して数日。





どこの学校に転校してもやることは同じ。






僕は休み時間というものを、ほとんど読書に費やしていた。







今はまだ都会人が珍しいのか、東京にいた時の話を聞きに来るクラスメートはしばしばいた。







大体のクラスメート達と会話はしたが、やはりどこか浮いている状態であった。







だけど僕はそれでも構わなかった。








転校が多いので、友達と呼べる人間が、僕の人生上未だかつてない。






普通に会話したり、遊んだりはするけど、ケンカしたり、夢を語り合ったり、一緒に何かを目指したり…








そういったものは一切なかった。