「あのさ、」

「…何?」



…少ししかめっ面のあたし。

樹吏は小さく笑ってた。



「チョコちょーだい♪」

「…3日前にあげたよ」

「あれは別じゃん?」

「…別?」

「まだ貰ってないよ?…本命」



そう言って、樹吏はあたしにキスをした。



「っ…バレンタインはもう終わったよ…」

「関係ないって。俺欲しいもん」



あたしに笑いかける樹吏。


その笑顔に、
あたしはもっと樹吏を好きになった。

…そんなこと絶対言わないけど




今日、作ろう。

今度はちゃんと、本命をあげるから。





END