チョコミント

「ね、拓真~。」
「ん~どしたあ~?」
「…なんでもないや。」
「なんじゃそりゃ。」

本当に特に用はなかったんだもん。
ただ呼んでみたかっただけ。
≪拓真≫って呼びたかっただけ。
理由はないと思う。
なんか考えるより口がさきに動いちゃった。

…あたし病気かな?
なんか妙に心臓の音が
でっかく感じる。

ドクン、ドクン、とどんどんはやまっていく。
そのうち胸がキューって締め付けられるようなかんじになった。
…やっぱり体調おかしいのかも。

「どーしたん?」

あたしは様子がおかしかったのだろう、
拓真がそんなことを聞いてきた。

「ん~なんかちょっと
 心臓がうるさくて、
 痛くて…。」
「え…。
 そっか、でもきっとすぐ治るよ★
 それよかさ~ちょっと散歩してこ?」

さ、散歩っ?!
おこちゃまですか!
拓真、意外と可愛いのね♪

「いいよ~♪」

あたしたちは行くあてもわからず
ひたすら歩き続けた。