家に帰って、頭からシャワーを浴びた。


エイジへの気持ちと一緒に、洗い流しちゃいたい。


近藤くんのことはよくわからないけど、まずは“お友達”からで良い。


それだって、明日一緒に遊べばわかるんだ。


とにかく、エイジとは別れる。





♪~♪~♪

部屋に戻ると、タイミング良く携帯が着信の音を鳴らした。


誰か分からずディスプレイを確認すると、その名前に目を見開いた。



着信:エイジ

「―――ッ!」


急に早くなった心臓を落ち着けるように深呼吸をし、ゆっくりと通話ボタンを押す。



―ピッ…

「…ハイ…?」


『…亜紀。
電話、どしたの?』



本当に、数日振りに聞いたエイジの声だった。


その瞬間、また込み上げてきそうで。


あたしは、言葉を発することも出来なかった。



『…亜紀…?』



だけどあたしは、言わなきゃいけないんだ。



「…話、あるんだよね。」


『…ふ~ん。
つーか、俺もあるんだよね。』


「―――ッ!」



あぁ、きっと…


エイジから別れを告げられるんだろうなって。


すぐにわかったから。


だけど、最後の最後まで振り回されたくない。