足を進める近藤くんの後ろについて、あたしも足を進める。


階段の壁に背をつく近藤くんに、あたしは首を傾けて聞いてみた。



「…どしたの?」


『…いや、須藤さんって今、彼氏とかいるの?』


「―――ッ!」



こ、こ、こ…


これって、“告白”ってやつ?!


いや、ヌカ喜びはイカン。


てゆーか、ありえない。



「…何で…?」


だけど頭に浮かんでいるのは、エイジの顔。


あたしとアイツは、一体何なんだろう。



『…いや、明後日イブじゃん?
もし良かったら、俺と過ごして欲しいなぁ…なんて。』


「―――ッ!」


照れたように頭を掻く近藤くんは爽やかで、エイジなんかとは大違いだと思った。


泳ぐ目の焦点はどこにも定められず、顔は真っ赤になるばかり。


そんなあたしの顔色を伺いながら、近藤くんは一つため息をついた。


そして、改まって言葉を紡ぐ。



『つーか、好きだから付き合ってください。』


「―――ッ!」



ドキューン。


みたいに、心臓に突き刺さった。


直球すぎて、言葉が出ない。



アワワワワ…


今のあたしは、まさにそんなカンジ。