暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ

紅く煌めくりんごあめはまるで宝石のように、あるいは芸術作品のように出店に並んでいる。その他にもみかんあめ、はなあめなどある。


“……そんなわけないでしょ、ただ懐かしいって思っただけ”


実際に暁の中の少年が直接口にするわけじゃない、でもーーそれでも。


「あの、りんごあめください」


“僕の話聞いてた?余計なことだよ、馬鹿”


暁の中の少年はそう言いつつも、それ以上抗議の声はなかった。