暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ

ランホアと別れた後、暁は出店の方に向かった。早い段階で掛け合ってくれたおかげで、意外にも早く許可がおりた。


華やかな装いで出店を覗く人々。店前で談笑したりする客や、中にはケンカする客までいる。暁の手の中には買い込んだ食べ物がある。正確に言うとーー支払いはしてないが。


“ずいぶん買い込んだね。何日分の食料だよ”



ーー俺が全部食べるから、問題ない


花蜜だんごを口にする。花びらの砂糖漬けと花の蜜を練り込んだものーーそう店主が教えてくれた。よく子どものおやつとして、食べられるものらしい。


暁は食べ歩きながら出店を見て回る。


“……りんごあめ”


ーー食べたいのか?