暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ

くるりと一回転してみせる。艶やかな緋の袴、薄い羽織を纏い、頭には花飾りをしている。出会ったときよりも増えているように思う。


リオンから貰った本にもあった。舞を舞う、巫女って人の絵がーーまさに、ランホアがその出で立ちだった。


「探してたのには理由があって、実は星祭りに参加しようと思って来たはいいけどーーお金がなくて」


“え。いきなり単刀直入にそれ言っちゃうわけ!? まず綺麗だねって褒めるのが常識なんだよっ”


一瞬呆気にとられた様子だったが、ランホアはすぐ笑顔になる。


「いいよ、私から話しておいてあげる。お金は気にしなくていいから、好きなもの食べて」

「いいのか?」

「うん。でも、お金ないんじゃこの先大変だよね?お兄さんさえよければ、ばば様に掛け合ってあげる。もしかしたら力になってくれるかもしれないし」

「ありがとう、助かる」


あたたかいーーそれは夢のような光だった。

二人でそっと笑い合う。