暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ

ランホアから貰った花をしまい、出店を見て歩くことにした。


花蜜だんご、キノコの香草焼き、花と芋のスープ、花饅頭、花風船ーー楽しそうな笑い声が、色んな店から聞こえてくる。


“今思ったけど……君、お金なかったよね。美味しそうなもの確かにたくさんあるけど、お金がないと買えない。うーん失念してた”


暁の中の少年が嘆く。どうやら自分はお金というものを持ってないから、買えないらしい。


少し、ショックだ。


“あ、さっきのランホアって子のところ行こうよ。助けてもらえばいいんじゃない?”


……いいのかそれ。でもランホアしか頼れないか……


暁は悩んでいたが、他に解決策があるわけでもないから腹をくくることにした。万が一無理だった場合は、諦めが肝心だ。