結局リオンとはぎくしゃくしたまま別れることになった。一度自分の故郷に戻ることにしたらしく、もしよかったら飲んでくださいと、一緒に飲んだハーブティーを餞別にくれた。


それから、本を二冊。ひとつは植物図鑑、もうひとつは植物がモチーフになっている物語。暁はしばらく動けなかった。


まるで金縛りにでもあったように。


せめてさよならくらい言えばよかったのかもしれない。 


何も言えない暁に、寂しそうに笑ってリオンは去って行った。