暁の王は翡翠の姫に永遠の愛を紡ぐ

星空の下友達と美味しいごはんを食べる。それがこんなにも楽しくて、幸せで、あたたかいってことを知らなかった。


きらきらと輝く水面。


「あの蝶は?」

「青い蝶は幻想蝶と呼ばれていて、これも夜にしかいない。なんでも女神様の遣いで、この蝶について行けば会えるらしい。他にも楽園に行けるとも言わてるね」

食後のハーブティーを飲みながら蝶の話をする。暁が気になっていた蝶は、今も優雅に舞い続けている。


ーー女神って聞いた瞬間、……言いようのない不安と絶望感がした


「暁さん?」


一体どんな顔をしていたのだろう。心配そうにリオンがこちらを見ている。暁は慌ててティーカップを差し出した。


「もう一杯もらえるか?リオンの淹れてくれたこのお茶、すごくおいしいから」


「はいもちろんです!」


リオンは急いでまた新たな茶葉を用意して、香りのよいハーブティーを注いでくれた。