「実は植物のことばかりに熱中しすぎて、友人なんていないんです。まさか、ここで友人ができるなんて思いもしませんでした」 暁の心に陽が灯る。 “……はじめてだね。君の心が、動いたのは” ずっと一緒にいたから、共にあったからこそわかる。どんな些細な変化でも。 「ありがとうリオン」 「いえ。よろしくお願いしますね暁さん」 “……主。僕は……” それ以上の言葉は続かなかった。暁は嬉しそうに相手の名前を呼び、相手もまたはじめてできた友達に心が浮きだっているようだった。