気づいたときには、知らないところにいた

「大丈夫、ラオちゃん」

井戸に向かう途中、話しかけてくれたおばさんだ

「・・・ママ」

「ママね、居なくなっちゃうかも」

―イナクナル?

「会えなくなっちゃうかもしれないよ」

―アエナクナッチャウ?

初めて聞く言葉だった

「ママ・・・」

でも、私は一人になるということはわかった

「・・・どうしたの?」

おばさんはやさしく私に問いかける

―ドウシタノ

井戸に行くときも、言っていた人がいたなぁ

これをいえば、言われた人は元気になるのかな?

「どうし、たの、?」

希望を持って母に言った

「ママ、どう、した、の?」

しかし、母は起きなかった