「おはようございます」




「あー、おはよッ!!恵子ちゃんッ!!」



加奈ちゃんは私を見るなり、手に持っていたものを素早く後ろに隠した。


「加奈ちゃん…どーかし……」


「ううんッ!!!どうもしてないよッ!!大丈夫だから、気にしないでッ!!」


「ふーん……」



加奈の横を横切り、自分のロッカーを目指した。加奈ちゃんはホッとしたのか、一瞬だけ隙ができた。その隙に加奈ちゃんの手から、紙切れ一枚をスッと奪い取った。



「あッ!!!」


「加奈ちゃん、甘いんだから。私に隠しごとなんて……」



私はその紙に書いてあった始めの一行に、言葉を失った。顔を上げ、加奈ちゃんを見ると、加奈ちゃんは大きなため息をついていた。



「加奈ちゃん……これ……」


「……今、学校で噂になってて……友達に聞いてみたの」


「なんなの…?どーいうこと…?」





その紙には、大きな文字で、『天国のポスト』と書いてあり、その下に簡単な住所と地図が示されていた。加奈ちゃんは仕方なしに説明をし始めた。