律儀なあたしは、次の土曜、早速お礼にと手作りクッキーを手に、神父様のもとへと向かっていた。


『あのお酒が効いたかどうかは微妙だけど、神父様のお陰で勇気が出たんだし、やっぱり、報告を兼ねてお礼に伺おう』

傍らには、舞の姿も。


「なんか、わかりにくとこにあるよね、この教会」


舞も幸せなバレンタインを過ごせたらしい。

だから一緒にお礼にきた。

それに、あたしの話を聞いて、神父様にも会いたくなったんだって。


「ほら、小さい頃の記憶だと、こう、もっと大きな建物とか想像しちゃうじゃない」

「そうそう、あたしもそう思った」

「今見ると、まあ普通の小さな教会なんだけどね」