St. Valentine's Dayの奇跡





玄関先、門の前に座って、あいつの帰りを待った。




二月の朝は寒い。

息が白くなる。

あたしは、セーターの袖を思いっきし伸ばして手を隠す。

身体の前で腕を組み、寒さを耐えると自然と足が震えた。

震える膝の上で、チョコの袋がカサカサと音をたてて揺れる。



遠くに見えた人影。

白い息を吐きながら、あいつが帰ってきた。