「だな、今朝出会った奴が同じクラスで隣の席、ものすごい偶然だ」


「フラグ立てたいなら積極的に私のいそうな場所に昼休みや休日使って行くことね」


「ギャルゲかよ!!」


勇輝の突っ込みはまたしても雪乃の曖昧な笑顔に誤魔化されたのだった



昼休みの前の授業中、由衣と彩音はノートの切れ端を使い、筆談していた。


「由衣、昼休みは勇輝を誘って一緒にご飯食べるんでしょ?」


「え? い、いきなりそんなこと言ったら迷惑かけちゃうよ;」


「何言ってんのよ!? 私達、一応あのバカの幼馴染だし問題ないでしょ!」


「問題ありまくりだよっ それに、保育園から小学4年生までしか一緒じゃなかったし、私」


「それでも、幼馴染は幼馴染じゃない!せっかく私があいつの志望校聞き出して、由衣が受かる様に受験勉強も手伝ってあげたのに!」


「そ、それは感謝してるけど・・・・」


「そ・れ・に! 同じクラスなんだよ!?」


「う、うん」


「席もほら、私達は一番左後ろのベストポジション、あのバカはやや右斜め前の真ん中、様子をうかがうには便利すぎるでしょうが!」


「ここまで好条件でお昼誘わないとか、あんたどんだけよ!」


「うぅ・・・」


「はぁ、じゃあこうしましょう、私があのバカ三人組を誘うから、私も含めて5人で昼食ってことで。それなら良いでしょう?」


「う、うん・・・・」


「そして由衣の事ちゃんと覚えてるか聞くこと!」


「ふぇ!?」


「当たり前でしょうが!この昼食はただ一緒に食事するのが目的じゃないんだからね?あのバカにあんたが脈あるかチェックするためのオペレーションでもあるんだから!」


「うぅ、もし、覚えててもらえなかったら・・・・?」


「それならそれで、今からでもいい関係になれるように頑張れば良いだけじゃない。由衣可愛いんだら、絶対大丈夫だよ」


この手紙を由衣が読み終えた時、授業終了のチャイムが鳴る。