ほっとため息をついて、顔を上げる。

駅が遠ざかり、住宅街を抜けると、あたりは漆黒の闇。

闇の向こうには、田んぼや畑が広がっているのだろう。

目を凝らすと、闇の中に、もう一人の俺がいた。

こちらをじっと見つめる俺は、ガラスに映った俺だった。

そして気づいた。



俺も、さきほどの彼らと同じ顔をしていた。