天使の羽衣

「ねぇ聞いてる?」

と、尋ねる少女。

俺は正直に、

「ごめん聞いてなかった」と答える。

「だぁかぁらぁー」と、少女は、今度はかなりはっきりと言った。

「宝の地図を、一緒に探してほしいの!」

ああ……。

俺は、軽いめまいを覚えた。

何からどう理解したらいいものか。俺にはタカラノチズ、としっかり聞こえた。

いやしかし。
そのとき俺にある考えが浮かんだ。

もしかするとこれは…。

そうかなるほど!と俺は顔を上げた。

「なぁんだ。タカラノチズっていうお前のインコが逃げたんだな。そうかそうか、そういうことなら俺も探すの協力…」

「ちがうの」

と、即座に否定された。

「それじゃあ、愛犬か?それとも猫?」

「だから違うんだってば!」

彼女の表情が少し険しくなったので、俺は素直に押し黙ることにした。