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「どうしたの?」
少女が見つめる先で、俺は地面にしゃがみこみ、うーんうーんと深く考えをめぐらせていた。
どうしてだ?どうして俺の名前がばれた?
天文部?あぁそうか天文部か。彼女はたしか天文部だと言った。だから俺の名前を…。
いや待て。
俺が懸念しているのはそこじゃない。
俺の正体…、そう、ヒキコモリ。
まずい!このままでは俺が不登校の引きこもりであると彼女にばれてしまう!
俺が不登校のヒキコモリであると知った彼女は、それはそれは軽蔑するに違いない。
きっと、まるで汚物でも見るような視線で、俺を罵倒し、ののしり、嘲笑することだろう。
『健一くんってヒキコモリなの?なんていやらしい!下品だわ!最低!このドブネズミ!近寄らないで』
落ち着け。落ち着いて考えるんだ俺。
