天使の羽衣

「なんてこった…」
俺は頭を抱え込んだ。

まったく自業自得もいいところだ。
俺がカギを掛け忘れたことが、屋上にこんな少女を招いてしまった、そもそもの原因でははいか。

そうでなければ、俺は今ごろ一人楽しくランチタイムを満喫していたはずなのに…!

「やっぱり!」
と、少女は何もかも見透かしたような不敵な笑みを浮かべ、俺を覗き込んだ。

「キミ、部長の杉浦健一くんでしょ?」

「…………え?」

その瞬間、この世の時間が数秒間停止するのが、はっきりと感じられた。


どうして、俺の名前を……。